藤堂武久コラム~弁護士・中小企業診断士が警告する「知らないことは損になる!」2~

知られざる補助金申請のポイントとは

 まず補助金申請について、審査する側に目を向けましょう。
 補助金申請の際の書類選考は、入社や入学の試験と同じようなものと考えるとイメージしやすいかもしれません。ただ、このイメージが強いと、「試験に合格するのはタイヘン!」と、入社や入学試験を思い出してしまい、それだけでストレスを感じてしまうかもしれません。ただ,その当時は、ひたすら試験対策の勉強をしていたことで、合否を判断する側の分析までは及んでいなかったのではないでしょうか。しかし補助金は違います。つまり、審査の基準が設けられているので、そこを予め知っておくのはとても有利になります。
 多くの補助金では、応募書類に点数をつけて、上位の方から順番に採択される、つまり、合格ということで補助金が交付されることになります。従っていかに多くの点数を稼げるか、ここがポイントになります。以下、4つのポイントを解説していきます。

ポイント1:自社分析
 まず最初に自社分析をしっかり行っておくことがポイントです。
 自社分析とは、文字どおり自社を適切に分析できているか、それを説得的に文章で表現できているかということになります。そのためには、事業計画書などを作るときと同じように、日頃からSWOT分析・3C分析・誰に何をどのように分析など、ポピュラーな分析をしておくと、採点者にも適切な自社分析ができていることが伝わります。

SWOT分析
目標を達成するために意思決定を必要としている組織や個人のプロジェクトやベンチャービジネスなどにおいて、外部環境や内部環境を強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats) の4つのカテゴリーで要因分析し、事業環境変化に対応した経営資源の最適活用を図る経営戦略策定方法の一つである。組織や個人の内外の市場環境を監視、分析している。 フォーチュン500のデータを用いて1960年代から70年代にスタンフォード大学で研究プロジェクトを導いた、アルバート・ハンフリー(英語版)により構築された。(引用:wikipedia

3C分析
企業のマーケティングなどにおいて、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の観点から市場環境を分析し、経営戦略上の課題を導く分析ツールのひとつである。
代理店などが重要な業界では、チャンネル(Channel)を加えて、4C分析と呼ばれることもある。(引用:wikipedia

誰に何をどのように分析
ビジネスモデルを考える時に、「誰に」(対象顧客・ターゲット)、「何を」(商品・サービス)、「どのように」(手法・提供方法)ごとにわけて分析する手法

 

ポイント2:公募要領・募集要項を読み込む
 審査では、その補助金ごとに,どのような事業を行うことについて補助金が必要なのかという計画、つまり、補助事業計画の内容を審査することが多いです。そのため応募する補助金制度が、応募者の作成した事業計画にマッチしているかどうかが審査されることになるわけです。
 そこで注目すべき重要ポイントがあります。「公募要領」・「募集要項」などといって、その補助金を申請するときのマニュアル・手引のようなものがあります。そのなかでも、特に、どういう部分を審査するか、ということが明記されていたり,なんとなくニュアンスから伝わる部分があります。そこをしっかりと読み込んでください。そのポイントにまんべんなく触れて,高得点を狙ってください。さらに申請書類には,それをしっかりと文章に反映させることが大事です。きっとわかってもらえるだろうと油断せず、専門外の人が読んでも伝わるように、なるべく専門用語を遣わずに、わかりやすく書くこと、また、一読了解型の文章が、点数が高くなります。
 公募要領のなかには、審査のポイントがはっきりと加点すると書いてある部分もあれば、そうでなく、なんとなくここが評価の対象になるのだろうなという部分もあります。これらを見落としてしまい,自分勝手な判断をしてしまうことは大きなマイナスですので、基本中の基本として、しっかりと公募要領・募集要項を読み込むが重要です。

 ポイント3:わかりやすくアピール
 具体的な方法として、ポイント2で見つけた公募要領のポイントであると思う部分について、それをそのまま「小見出し」にするのは、オススメです。審査のポイントについて、しっかり言及していることが、採点官につたわりやすくなりますので、おすすめの方法です。
 そのほかのテクニックとしては、写真・図・グラフなどを活用することです。文字だけより視覚的なわかりやすさを採点官に提供することで、点数をつけやすくできることがあります。

 ポイント4:早めの準備
 申請書類の点数によって評価されるということは、当然ですが、慌てて書類を作成するより、じっくり作るほうが有利です。結果的に点数が高くなることが多くあります。
 そのためには今からでもできることをしておくのがポイントです。補助金募集の詳細や要項が発表される前でもできること、それは自社分析です。今すぐにでも着手しておけば、補助金申請の際に慌てることなく対応できます。これは絶対におすすめです。

 

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