
日本人であればオランダ(Nederland)を知らない人は少ないでしょう。
おそらくヨーロッパにある国だということも知っているでしょう。
しかし、具体的にどこなのかというと、途端に大多数が「知らない」となってしまうかもしれません。まして、どんな国が隣国なのかは、さっぱり分からなくても不思議ではありません。
もしかしたら学校の社会の授業で習ったベネルクス三国を思い出す人はいるかもしれませんが、この中で国境を接しているのはベルギーだけで、あとはドイツです。
首都はアムステルダムとしてご存知の方もいるでしょうが、実際の首都機能を持つのはデン・ハーグです。アムステルダムは憲法上の首都という特殊な扱いです。
公用語はオランダ語ですが、日本と違って国民の約75%はオランダ語だけでなく他の言語を話す、つまり2カ国語を話すことが出来るそうです。さらに44%は3カ国語を、12%は4ヶ国語を話すことができるといわれます。
オランダ語はドイツ語と親戚ですから、ドイツ語が話せる人が多いのはわかるとしても、普通にフランス語を話す人も多くいます。
そんな国際性に富むオランダですが、ローカルなオランダ語には、独特の表現に「アウトワーイエン(Uitwaaien)」があります。特有な表現のため、この単語に対応する日本語はありません。英語にもありません。
直訳できないので、意味を説明するしかないのですが、これは、風に吹かれながら散歩することで、頭の中をリフレッシュさせることです。ただ散歩するのはどこでも良いというわけではなく、自然豊かな場所のようです。具体的には海辺や湖畔、森や林の中、あるいは山の中などでしょうか。
都市部の住民にとっては公園でも良いのかもしれませんから、厳密に定義されていないのかもしれません。
オランダは、平坦な陸地が海に面している国ですから、このアウトワーイエンはストレス解消に最適といえます。健康にも良いでしょう。
日本でもストレス解消や気分転換に散歩をする人もいるでしょうが、居住している地域によっては、オランダのアウトワーイエンを満たす環境がなかったりします。自然環境に不足していたり、起伏が激しくて足腰に影響するという場合もあります。
オランダの場合、何ごとに対しても寛容である国民性があり、大麻等の所持、使用、さらには販売も合法であり、積極的安楽死も合法化されています。16歳以上でポルノ出演も合法、国の許可を得れば管理売春も合法となっています。
そんなオランダでもアウトワーイエンがあるのは、ストレスは寛容さとは関係なく、誰にでもあることの証左なのかもしれません。