
人間にとって最大のストレスは何でしょうか?
家族など、身近な親しい人の死別です。
さらにいえば、自身の死に対する不安や恐れなども大きなストレスを生みます。
すぐそこに存在していたものの消失と、自分を自分として認識できる存在への不安。生死に関することは、普段はあまり感じない、考えないことかもしれませんから、その場面に直面したとき、初めて過大なストレスを受けることを知るといえるでしょう。
そのような「生死」が日常的にストレスとなるものとして、戦争が挙げられるでしょう。
また、ナチスによるホロコースト(Holocaust)もまた、ユダヤ人にとって過大なストレスだったと思われます。
ホロコーストとは、第二次世界大戦中のドイツでナチス(国家社会主義ドイツ労働者党 Nationalsozialistische Deutsche Arbeiterpartei)によりユダヤ人などを組織的に大量虐殺をしたことです。
ナチスがドイツの権力を掌握して以降、反ユダヤ主義となり、ドイツ国内や占領地のユダヤ人を拘束し、強制収容所に送ることとなりました。
強制収容所では強制労働を課し、占領地の絶滅収容所では銃殺、人体実験、ガス室での殺害などが行われ、しかも収容所に送り込むために各地でユダヤ人狩りを行っていました。
ナチスによるホロコーストの犠牲者の数は、最終的に900万から1,100万人にのぼるとする説まであります。
現在、ベルリンではホロコーストの記念碑があります。
正確には「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑」(Denkmal für die ermordeten Juden Europas)です。
2005年に開設されました。ブランデンブルク門の南側に位置し、1万9073㎡の敷地にグリッド状に並ぶコンクリート製の石碑が並んでいます。その数、何と石碑2,711基です。
何も知らずに訪れると不思議なオブジェに見えるかもしれません。石碑は、厚さが0.95m、横幅が2.38mで、高さについては様々で、高いもので約4.5mほどです。
設計を担当したのはしたのはアメリカのピーター・アイゼンマンです。
もともとこの場所は、政府高官の官邸や官庁が立ち並ぶ地域でした。
それはプロイセン王国時代から続くもので、いわばドイツの行政の中心地だったわけです。しかし第二次大戦のベルリン市街戦で破壊され、その後は廃墟と化しました。そしてベルリンの壁です。
壁建設のため、廃墟だった場所が撤去され、何もない広大な無人地帯となっていました。
そこにホロコースト祈念碑が開設され、地下には情報センターがあって、ホロコースト犠牲者の氏名や資料などが展示されています。
現代の日常で経験することより、はるかに強いストレスを感じ、それだけでなく虐殺までされたユダヤ人を偲ぶこと以外に、ここですることはありません。
ホロコースト祈念碑公式サイト
Stiftung Denkmal für die ermordeten Juden Europas