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ナルシストはストレスに強い

「European Psychiatry」では「The positive effect of narcissism on depressive symptoms through mental toughness: Narcissism may be a dark trait but it does help with seeing the world less grey」、「Personality and Individual Differences」では「The bright side of dark: Exploring the positive effect of narcissism on perceived stress through mental toughness」として発表されたふたつの研究論文では、ナルシストの人たちのポジティヴな側面に着目し、それに基づく様々な関連性を浮かび上がらせる結果となった。
その研究結果というのが、ナルシストは強靭なメンタルをもっていることでストレスを感じにくく、うつ病になりにくいというものだった。
ただ、この研究は、ナルシストを病的な「自己愛性パーソナリティ障害」のことではなく、あくまでも日常的・一般的な臨床診断としての範囲でのナルシシズムとしている。
ナルシストはふたつの主要な側面があり、誇大ナルシストと脆弱ナルシストだというが、今回の論文では誇大ナルシストを取り上げ、これは一般的なイメージが強いナルシシズムといえるかもしれない。要するに、自分をオーバーに誇張した重要性として感じ、肩書、地位、権力、権威などに執着するというナルシストのことだ。
誇大ナルシストの傾向の人は、ストレスの認識レヴェルが低いことが、3つの異なるサンプル合わせて748人の被験者によって判明した。環境的なストレスだけでなく、人間関係でもストレスの多い現代社会では、このストレスの認識レヴェルの低さは、人間の多様な人格特性のひとつであり、「進化の産物」とまでしてる。