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平成最後のダイヤ改正は「脱・痛勤」

平成最後のダイヤ改正が今度の3月に実施予定になっているが、その概要についてはJR各車からすでに発表されている。
昨年には、京王線で400円の追加料金で必ず座れる「京王ライナー」が運行されたり、西武鉄道では西武新宿と拝島を結ぶ「拝島ライナー」、東京急行電鉄では「Q SEAT」の運行も始まった。一昨年からは西武池袋線の所沢と東京メトロ有楽町線の豊洲を結ぶ「S-TRAIN」も運行している。このような背景から、JRでも「脱・痛勤」につながる電車が登場する予定となっている。
その代表格が、JR東日本では特急「はちおうじ」や「おうめ」、JR西日本では「ラクはりま」だ。
「はちおうじ」「おうめ」は従来の「中央ライナー」「青梅ライナー」を廃止して新規に登場する。「らくラクはりま」は大阪から姫路の間を1日1往復だけ運転される通勤用の特急列車という位置付けになっている。
「はちおうじ」「おうめ」は、まさに京王線の「京王ライナー」や西武線の「拝島ライナー」などに対抗するJRの通勤用特急といえる。
また、JR西日本では新快速に有料着席車両を新たに導入し、「Aシート」とする。
こうした着席ニーズが高まることで、本来の特急電車のイメージが大きく崩れてきているといえるかもしれない。もともと特急電車は長距離乗車で都市間を移動する、あるいは観光地へ向かうための移動手段だった。もちろん今でも同様の役割を担っているものの、東京圏や大阪圏では、通勤を快適にするための電車の役割も担うようになってきたことになる。
しかし平成最後のダイヤ改正で誕生する特急「はちおうじ」「おうめ」については、料金体系も変更され、批判的な意見もあるようだ。
従来の「中央ライナー」は、特急電車という扱いではなく、全車指定席の電車という扱いだったため、特急料金は不要で、座席指定席の料金があっただけだった。
ところが今回は特急電車なので、特急料金となり、新たな料金体系として、「座席指定券」「座席未指定券」の2種類になる。従来の特急料金は「指定席特急券」「自由席特急券」だったのが変更となるのだが、実は変更後は料金に差はない。「未指定券」は自由席に乗車するということではなく、空席ならば座ることができるという扱いだ。これはヨーロッパの特急電車では常識的ではあるものの、日本では馴染みがないかもしれない。
この平成最後のダイヤ改正は、JRが増収を目指して行う側面もあるだろうが、通勤客の動きはどのようになるのだろうか。