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過労死等の労災補償状況

厚生労働省は、平成29年度の「過労死等の労災補償状況」を公表した。(厚労省公表ページ)
この調査結果を見ると、脳・心臓に関する労災請求は840件、精神障害に関する請求が1,732件だった。これは過去最高を更新する結果だった。支給決定件数で見ると、精神障害が初めて500件を超えていた。
脳・心臓に関する労災請求件数の業種別ワースト3
「運輸業・郵便業(道路貨物運送業)」:145件
「サービス業」:68件
「建設業」:45件
脳・心臓に関する労災支給決定件数の業種別ワースト3
「運輸業・郵便業(道路貨物運送業)」:85件
「宿泊業・飲食サービス業」:19件
「サービス業」:16件
年齢では請求件数でも支給件数でも50代、40代、60代の順という結果だった。
支給決定者の1ヶ月の平均残業時間
「60時間以上80時間未満」:11件
「80時間以上100時間未満」:101件
「100時間以上120時間未満」:76件
「120時間以上140時間未満」:23件
精神障害に関する労災請求件数の業種別ワースト3
「医療・福祉(社会保険・社会福祉・介護事業)」:174件
「医療・福祉(医療業)」:139件
「運輸業・郵便業(道路貨物運送業)」:84件
精神障害に関する労災支給決定件数の業種別ワースト3
「道路貨物運送業」:45件
「医療・福祉(医療業)」:41件
「医療・福祉(社会保険・社会福祉・介護事業)」:45件
精神障害を発症する具体的な出来事としては、最多だったのが「上司とのトラブルがあった」だった。件数としては320件もあった。
また、「セクシュアルハラスメントを受けた」についても35件あり、すべて女性だった。
今回は、過去4年間分の裁量労働制対象者に関する決定件数などについても取りまとめている。
脳・心臓に関する支給決定件数は4件、精神障害の支給決定件数は10件だった。脳・心臓に関する支給決定はすべて専門業務型裁量労働制対象者だった。精神障害の支給決定は、8件が専門業務型裁量労働制対象者で、この中で3件は未遂を含む自殺、2件が企画業務型裁量労働制対象で、この2件とも未遂を含む自殺だった。