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サルも温泉でストレス解消

ニホンザルも人と同じように、温泉でストレスを解消している――。
温泉に入浴することで有名な長野県・地獄谷のニホンザルは、冬場に入浴することで体を温め、ストレスを緩和しているという研究結果を、京都大霊長類研究所のラファエラ・サユリ・タケシタ研究員らのチームがまとめた。
ニホンザルのふんに含まれる物質を分析することで、科学的に確認できたとして、国際学術誌プリマーテスに論文を発表した。
2014年に、地獄谷野猿公苑で温泉につかるニホンザルを調査した。春の出産(4~6月)と冬の交尾(10~12月)に、入浴する5~24歳の12匹を対象にして温泉に漬かる時間などを観察してきた。
さらに並行して、サルのふんも採取し、ストレスの目安となるホルモン「グルココルチコイド」の濃度も分析した。
その結果、温泉に入浴した週は、入浴しない週よりもこのホルモンの濃度が平均で約20%低かった。統計学的手法で要因分析の結果、温泉入浴が濃度低下に最も寄与していることが分かったという。ストレスの低下が確認できたのは寒い冬の季節で、暖かい時期にはこうした「入浴効果」はみられなかった。