- Home
- 組織行動診断士, 組織行動診断士試験情報
- 資格試験対策【人的資源管理の原則】
資格試験対策【人的資源管理の原則】

企業組織において、個人の「意識」や「主観」は、最終的には組織としての行動規範やルールに従うことが多く見受けられるということになります。
しかし個人の特性を測定するツールはたくさんありますが、組織を測定するツールはまだ少ないのが現状です。
そのため、「ヒト」「モノ」「カネ」、あるいは「情報」を加えた経営資源の中で、数値化が困難とされてきた「ヒト」=「従業員」を対象に行う管理活動の延長に組織行動診断はあるといえます。
そもそもこの「ヒト」の管理は、「必要な人材を雇う」、「仕事を割り振る」、ということから、その仕事に対して、「評価する」や「報酬を与える」などが生じ、最終的には企業の事業達成を目的とする一連の流れに位置します。これは企業の規模に関係のない話です。
そこで、組織行動診断士の基礎部分として、人的資源管理の原則について触れていきます。
HRM
人的資源管理(Human Resource Management : HRM)といわれるようになったのは1970年頃からで、それまでは専門のスタッフ(部署)が担う伝統的管理活動でした。
これはアメリカの話で、日本では遅れること20年、1990年代になって、やはり人事労務管理から人的資源管理へと動き始めたといえます。しかし日本では広く定着してきたとはいえず、分かりやすい例で言えば「人事部」が名称だけでなく、その役割も含めて大きく変化したという企業は少ないといえます。
だからといって日本が遅れているとは一概にいえません。
実はアメリカのHRMは、1970~80年代に欧米諸国に「日本的経営ブーム」があり、その影響を受けた部分が多分にあったからです。日本での人事労務管理の中で、例えば「ヒトは財産、企業はヒトなり」や、終身雇用、内部昇進制度などの日本的なものが注目され、組織行動論的な観点から一定の評価があったといわれています。
ではこのHRMとは何でしょうか。
1. 経済資源としての人間重視
2. 人間的存在としての人間重視
企業内の「ヒト」について、能力の開発と活用により付加価値をもたらす投資価値のある資源である、または未開発の資源である、このような認識に基づくものがHRMといえるでしょう。
SHRM
1980年代半ばから、HRMを経営戦略と結びつける用語として戦略的人的資源管理(Strategic Human Resource Management : SHRM)が誕生しました。
これは企業を取り巻く環境の変化や、企業単位でのリストラクチャリングなどが背景にあったことが挙げられます。
「ヒト=従業員」、「組織」、「働き方」という企業内のソフト部分にこそ、競争優位の源泉があり、技術や外部環境への適応などは変化する要素が激しく、固定した源泉とならないということになります。
日本では例えばコア人材と非コア人材とを分け、前者を正規社員、後者を非正規社員とする人材のポートフォリオに基づいたSHRM構想などもあります。今後は組織改革とともに戦略的なHRMが必要になってくると思われます。
そのためにも組織行動診断の果たす役割も大きいといえるでしょう。
試験対応練習問題
次の文章の中にある( )内に入る語句は何か。
人的資源管理とは、( )の目的を達成するために、経営資源の1つである人的資源を活用する制度を設計し、運用することである。
経営戦略を実行し成功へと導くためには、管理者が( )構成員を( )の掲げる目標へ向けて、どのように活動させるかという点が重要であろう。
旧来の日本型労務管理と関係した採用、評価、報酬、配置・異動、昇進、退職・解雇などに加え、能力開発などを含めた人事制度に基づく( )への影響も大きいかもしれないが、( )行動という分野で戦略的に人的資源管理へアプローチしていくことも重要になってきている。A : 企業
B : 組織
C : 働き方
D : 資源
E : HRM
F : SHRM
解答 : B