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「係長へのパワハラはその部下にも影響」フクダ電子・裁判

大手医療機器メーカー「フクダ電子」の子会社「フクダ電子長野販売」で勤務していた元従業員の50~60代女性4人が、代表取締役(常務)の男性からパワハラを受け退職を強いられたとして、同社などに慰謝料計約1,700万円を求めた訴訟の控訴審があった。畠山稔裁判長は会社側の主張を退け、会社と常務に約660万円の支払いを命じた。
この裁判では一審の長野地裁松本支部で、会社のパワハラを認め、約360万円の支払いを命令していた。会社側はこの判決を不服として控訴した。元従業員側でも、慰謝料の額などをめぐって付帯控訴していたものだった。
判決文によれば、フクダ電子長野販売に勤務していた女性4人は事務職で、2013年4月に常務から「50代はもう性格も考え方も変わらない」「50代は転勤願いを出せ」などと言われるパワハラを受け、退職するに至った。東京高裁は、4人の中の1人について、不当な降格や賞与の減額があったと認定した。正当な理由がないにも関わらず継続的に非難や批判を受けていたとして、パワハラや退職強要であるとした。別の1人については、不当な賞与の減額や給与が高すぎる等々の発言があったと判断した。
残る2人についてだが、直接常務に言われたのは本人ではなく2人の係長だった。これに対して畠山稔裁判長は、直接パワハラ発言を受けていなくても、「職場で見聞きし、間接的に退職を強いられた」という判断をした。間接的な退職強要を認め、退職が自己都合から会社都合に変わるなどして、一審からほぼ2倍となる認容額が増えた。一審判決では、発言を受けた係長のうち1人だけが退職を強要されたとしていた。
原告側の上條剛弁護士は「見せしめ的なパワハラが周囲に与える影響も認めた意義ある判決」と述べた。
判決後に東京・霞が関の司法記者クラブで会見した女性の1人は、当時の会社の雰囲気を語った。それによると、朝礼で「50~60代は考えが変わらない抵抗勢力だ」と言われ、定時で帰社した場合には、「事務員は暇だ」、残業したらしたで「仕事ができない」などと言われたとのことだった。