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全国、社長の輩出率・地元率

東京商工リサーチは、「2016年全国社長の輩出率、地元率調査」の結果を発表した。(リリースページ)
この調査は、東京商工リサーチの企業データベース296万9,431社の代表者データ(個人企業を含む)をもとにしたもので、同一人物が複数の企業で社長を務めている場合、売上高が高い企業を優先し重複企業を集計対象外としている。集計対象外企業は20万4,853社。
社長「輩出率」3年連続で1位は?
「輩出率」トップは、3年連続の徳島県で1.36%(前年1.37%)だった。東京商工リサーチのリリースページには、徳島県について「県民性は堅実・実利を尊び、質素・倹約のストレス発散が「阿波踊り」との説もある。現在、ブロードバンド環境に取り組み、先端産業・ベンチャー企業集積を目標に掲げている」とコメントしている。
しかし一方で、徳島県の人口は74万9,014人(2017年1月1日時点)で、18年連続で減少している。3年前の調査では76.6万人で、人口減少は18年連続だ。輩出率は1.29%から上昇した結果となっていることから、比率算出の分母に相当する人口が減少したことで、輩出率が高止まりしていることも考えられる。
2位:山形県 1.285%
3位:香川県 1.191%
4位:秋田県 1.169%
5位:愛媛県 1.049%
6位:山梨県 0.996%
7位:大分県 0.983%
8位:広島県 0.971%
9位:島根県 0.966%
10位:福島県 0.960%
輩出率が低い都道府県は、首都圏となった、47位:埼玉県が0.26%、46位:千葉県0.27%、45位:神奈川県0.33%と、首都圏のベッドタウンが続いている。
しかし都道府県物の社長出身地は、1位が東京だった。ちなみに最小だったのは鳥取県で、この2つの順位は7年連続だった。
地元出身者が社長を務める「地元率」7年連続1位は?
地元出身者が地元企業の社長を務める社長の「地元率」は、7年連続で沖縄県が1位だった。94.1%(前年94.2%)で、他県と異なる地理的条件が大きく影響していると思われるが、従来から他県からの企業進出が少なく、全国平均より高い失業率が地元の開業率を引き上げている側面もあるようだ。また、血縁のつながりも関係しているのかもしれない。
2位:愛知県 89.6%
3位:北海道 88.0%
4位:広島県 86.9%
2位の愛知県と4位の広島県は世界規模の自動車メーカーがあり、基幹産業となっている。そのため取引先や下請け、関連企業等々、親子数代にわたる企業も多くあるのが影響しているかもしれない。
地元率の低い県は?
1位:奈良県 66.9%
2位:長崎県 67.9%
3位:佐賀県 68.2%
「地方創生」が主要政策に掲げられている現在、この社長輩出率のデータがどのように活かせるかは分からない。しかし、地方と大都市の経済格差解消に「起業」という切り口で有能な社長が誕生し、地域の発展に寄与していく構図を描く、あるいは新しい働き方を創出する可能性はありえるだろう。