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休まず、遅れず、働かず! 約2人に1人が公務員を目指す?

株式会社UZUZが、第二新卒・既卒の20代に聞いた公務員・難関資格に関する意識調査の結果を発表した。(リリースページ)
公務員の定年を65歳へ引き上げることを検討しているという報道もある現在、以前から「休まず、遅れず、働かず」とも揶揄されることもある公務員の生涯賃金が約4000万円増加すること対して、世間では賛否両論となっているのが実情だ。そんな中での調査結果ということもあり、かなり興味深い結果となった。
調査はWEBアンケート方式で実施され、対象者は株式会社UZUZのサービス登録者のうち、20~29歳の第二新卒・既卒として就職活動中の男女(全国)で、有効回答数は男性100人、女性68人だった。
これまで公務員もしくは難関資格を目指したことがあるか
・ 現在も志望している:22.6%
・ 現在、公務員もしくは難関資格を活かした仕事に就いている:7.7%
・ 以前志望していたが、現在は異なる分野の仕事に就いている:14.3%
・ 以前志望していたが、現在は異なる就職活動を行っている:20.2%
・ 志望したことはない:35.1%
「志望したことはない」と回答した人を除いた人を対象として、
何を目指していたか
・ 公務員:81.3%
・ 難関資格:18.7%
※ 難関資格の例:弁護士、裁判官、検察官、公認会計士、税理士等
なぜ、目指していたか
・ 安定しているから:(男性:38.3%・女性:37.5%)
・ 収入が高いから:(男性:5.3%・女性:10.7%)
・ 将来的にフリーランスや独立をしたいから:(男性:2.1%・女性:1.8%)
・ 自信を付けたいから:(男性:6.4%・女性:12.5%)
・ 専門知識や手に職を付けたいから:(男性:16.0・女性:16.1%)
・ 身近にこの仕事をしている人がいて憧れているから:(男性:10.6%・女性:10.7%)
第二新卒・既卒として就職活動中の男女に、これまでに公務員もしくは難関資格を志したことがあるかという問いに対して、3人に2人が公務員もしくは難関資格を目指したことがあるという結果だった。
現在目指しているもしくは過去に目指したことがある人に、何を目指していたかという問いについては、何と5人に4人が公務員を目指したことがあるという結果だった。
目指していた理由については、「安定しているから(男性38.3% 女性37.5%)」の回答が最も多く、約3人に1人が「安定性」を魅力に感じて目指したことがあるという結果だった。
この「安定性」を感じる理由としては、民間企業と異なり、公務員は解雇条件がかなり厳しいため、実質的に解雇リスクがゼロに近いと考えているのかもしれない。
お役人・公務員の三原則が「休まず、遅れず、働かず」とも言われることもあり、 激しい競争を強いられる企業よりも、安定性だけでなく快適な職場環境というイメージもあるのだろうか?
しかし、最後の「働かず」というのは、実際には必要以上のことをしない、前例のないことをやらないという意味なのが、日本の官僚機構の標準で、末端の組織にまで浸透しているともいえる。
江戸時代中期の大名・上杉鷹山は、米沢藩の藩政が破滅の危機にあって、「休まず、遅れず、働かず」といった役人的な考え方を一切捨てさせたという逸話がある。「後がない崖っぷちの危機に立っている」という共通認識を持たせ、その中から時限的タスクフォースを課し、プロジェクトチームを編成した。
「安定性」に価値を見出すとしても、これからの時代には従来の公務員像ではない姿が現れるかもしれない。そこまで第二新卒・既卒として就職活動中の男女が考えているかどうかは定かではない。