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パワハラでうつ病、外国人実習生の労災認定
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東京都内の建設会社で外国人技能実習生として働いていたカンボジア人男性(34)に、立川労働基準監督署が労災認定していたことが分かった。
この男性はうつ病を発症していて、その原因が職場でのいじめや暴力だったことを、全統一労働組合などが厚労省記者クラブで会見を開いて明らかにした。実習生の権利擁護に取り組む「外国人技能実習生権利ネットワーク」によると、外国人実習生が精神疾患で労災認定されるのは初めてのケースだという。
この会社は、従業員約20人で、その中で実習生は5人いたという。
今回、労災認定となった男性は日本語がまだ十分なレベルではなかったようだ。聞き取りはある程度できるものの、話すことはまだ不十分というレベルだった。来日したのは2014年6月で、翌月からこの会社で配管工として働き始めた。
入社当初から日本人社員による暴言や暴行があったようで、暴言では「バカ、この野郎」「カンボジアへ帰れ」と言われたり、暴行ではヘルメットの上から小突かれたり、さらにはハンマーで殴られたりしたこともあったという。
その結果、男性は今年3月に病院でうつ病と診断されるに至った。実はこれ以前にも、2015年9月に作業中の事故で左手人差し指の第一関節部を切断し入院した過去もあり、その際にも労基署から労災認定されていた。このときのショックも今回の労災認定の要因の1つとなった。
組合などによれば、実習生の日本語能力を高める制度が不十分なことから、日本人社員との意思疎通が困難であったり、差別意識などもあることから同種のいじめ問題が多発しているという。さらに日本語が不自由な実習生としては、どこに相談して良いかも分からない背景も関係してるという。
ただ、この男性の場合は、姉が日本に住んでいたことで、労働組合に連絡し相談することができたようだ。
男性は「同僚の実習生たちと(期間は)3年だから頑張ろうと支え合っていた」「同じカンボジア人が困っていたら、どこに相談して良いか教えてあげてほしい」などと話していたという。
今月中にカンボジアに帰国する予定とのことだ。