新川てるえコラム~リスクを武器にしよう~

シングルマザーは「働くお母さん」というよりも「働かなくてはならないお母さん」ですという話を以前にしましたが、子育てを担いながら一家の主でもあり、バリバリと働くシングルマザーの働き方には、参考にすべきことがあります。今日はそんなお話をしようと思っています。
シングルマザーの就労支援を通して、経営者の方にお会いすると「シングルマザーは働く覚悟が違うし、頑張っている人が多いから積極的に採用したい」と言われる方がいます。私もそう思っているので、シングルマザーの雇用をお奨めしています。
私がシングルマザーとして働き始めた時に、子どもがまだ1歳と小さくて保育園の送り迎えを考えると限られた時間しか働くことができませんでした。当時の私の会社の社長が入社面接の時にこう言いました。「重要なのは働く時間じゃなくて内容だから」と。
当時、10時~16時という短い時間しか働けなかった私は社長のその期待に応えたいと思い、少ない時間を最大限に生かして、会社に必要な人材になれないものかと考えました。
当時、会社に販売管理というソフトウェアが導入されたばかりでした。これを操作できる人がいなかったので、私がこれを覚えたら会社に必要な人材になれるはずだと思いました。シングルマザーだった私には痛い出費でしたが、自宅に会社と同じタイプのPCを購入し学びました。
すると私が思っていた通りに、1か月後にはこのソフトウェアに関しては社内では新川さんに聞けという感じになりました。そこで私は、自宅でも仕事ができるように社長にプレゼンをして、リモートアクセスで会社と自宅のPCを繋いでもらいました。これで自宅にいても仕事ができる環境を手に入れることができました。
子どもが熱を出して会社を休んだり、時間内に仕事が終わらない時には仕事を持ち帰ることもできるようになり、小さな子どもがいるというリスクが回避でき働きやすくなりました。
私のお話はほんの一例です。このように多くのシングルマザー達はリスクを回避して、子育てと仕事を両立するために様々な工夫をしています。それは会社のためではなく、自分のために必要なことだからです。あなたの周りにシングルマザーがいたら注意してみてください。シングルマザーの働き方から学ぶことがきっとあると思います。
「シングルマザー生活便利帳」五訂版 2016-2017
(太郎次郎社エディタス)
次回は「目的を決めて目標をクリアしていこう」