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インスタグラムの投稿で「うつ病」の人がわかる?

「The New York Times」に掲載された「Your Instagram Posts May Hold Clues to Your Mental Health」という記事は、「EPJ Data Science journal」に発表された研究によるものを取り上げたもので、これはハーバード大学とバーモンド大学の研究チームによる発表だった。
人気ソーシャルメディアのインスタグラムへ投稿された画像を通し、うつ病の兆候を認識できるかどうかに着目した研究結果だ。
166人の被験者(過去の臨床診断に基づいて「健康」か「うつ病」かに分類)が投稿した約44000枚の画像を精査した。その際にマシンラーニングや画像処理に代表される多様な計算法を駆使して行われた。
かなり興味深いデータになっている。
インスタグラムのユーザーの投稿画像1枚につきつけられた「いいね!」とコメントの数、画像に写る顔の数をコンピューターで分析した結果、うつ病の人の方が健康な人よりも頻繁に投稿していることがわかった。しかもそのような投稿はコメントがつく確率は高いものの、「いいね!」がつく確率は低いという傾向がでてきた。さらには、うつ病の被験者が顔を主体とする画像を投稿する場合、健康な被験者よりも画像には顔の数が少ないことがわかった。
うつ病の被験者が投稿した画像について、どのような画像の加工がされたかにも着目し、色彩、彩度、色値、フィルターが使用されたかどうか、また使用された場合はどのようなタイプのものかなども分析した。その結果うつ病被験者は、青と灰色の色味が強く、明度が低い傾向があることが判明した。画像フィルターについては、健康な被験者ほどフィルターを使用する頻度が低く、うつ病の被験者がフィルターを使う場合は、カラー画像をモノクロに変換するこ傾向があったようだ。
この研究結果で最も注目すべき点は、これまでにうつ病と診断されたことがある人がわかったことは勿論のこと、今後、うつ病と診断されるであろうという人をデータから予見できたということだろう。
インタビューでは、今回の研究についてサンプルとして数が少なく、かなり特定された条件の人たちを対象としていたものの、「研究から得られた結果が、この研究の手法の正当性を何よりも如実に証明している」と語っている。