
浅田真央により「氣守」が一躍有名になり、関東最大のパワースポットともいわれるようになった三峯神社(ストレスを発散・解消する / 関東最大のパワースポット神社(三峯神社))のように、わざわざ遠方の地へ行かなくとも、神社は私たちの住む街中にもたくさん鎮座しています。規模の大小や歴史的背景も様々でしょうが、中には少し珍しい神社も実は多くあるのです。
そんな神社の中で、
愛猫がいなくなったとき、この神社に祈願すれば、迷子になっていた猫が戻ってくる!
そんな噂が広がり、「猫返し神社」と呼ばれるようになったのが、東京都立川市に鎮座する阿豆佐味天神社の境内社です。
阿豆佐味天神社は、現在の立川市砂川町周辺の鎮守の神として寛永6年(1629年)に創建されました。祭神は少彦名命と天児屋根命二柱で、立川水天宮は、古来より安産・子授けの守り神として崇められています。
注目の猫返し神社といわれる境内社は正式名称が蚕影神社になります。他にも八雲神社、疱瘡社、稲荷社、天神社、御嶽神社、浅間神社、金刀比羅社、八坂大神社と多彩な境内社が鎮座しています。
蚕影神社は、江戸時代末期からこの地方では養蚕が盛んだったことに関係します。当然ながら蚕の天敵はネズミです。ネズミを捕らえるといえば猫です。
そこで猫を守り神とし、ここに祈願すれば猫が返ってくるということになったようです。
現在では迷い猫だけでなく、猫の健康祈願も加わっているといいます。
何といっても目に付くのは、蚕影神社の前に狛犬ならむ狛猫です。
かなりリアルで、瞳にはガラス玉が埋め込んであります。猫の目の特徴が活かされているので、猫好きならこれを目にするだけでうれしくなりそうです。この狛猫は「ただいま猫」と呼ばれているそうです。
猫の癒し効果については「ゴロゴロ」音とともにストレス発散・解消(ストレスを発散・解消する / 猫の「ゴロゴロ」)として取り上げていますが、猫を飼っていない人もこの狛猫を見るだけで何だか癒されるようの気分になるかもしれません。
猫返し神社として知る人ぞ知る存在となったのは、有名エピソードがあります。
愛猫家で有名なジャズピアニストの山下洋輔さんは、愛猫が行方不明となり、日々猫を探し回っていました。たまたま通りかかったこの神社の前で「どうか、無事に帰ってきますように」と祈願したそうです。
すると、驚くべきことに、その翌日、何と17日ぶりに愛猫が戻ってきたというのです。
ちなみに阿豆佐味天神社と山下洋輔さんの自宅は2km以上離れていたようです。
その後も、猫がいなくなるごとに参拝に来るようになりました。
もちろん、その度に愛猫は戻ってきました。
山下さんは雑誌のエッセイに「あそこは、『猫返し神社』だよ」と冗談半分で書きましたが、その反響は徐々に浸透していったといいます。
この境内では山下洋輔さんから奉納された越天楽を聴くことができます。逆に、ここでしか聴くことができません。
そのピアノの曲は、猫が戻ってきたお礼であり、ジャズファンもわざわざ聴きたくなる音色です。
非日常空間が広がる境内です。
日々のストレスや重圧から解放され、しばしの癒しに触れることができるでしょう。
ただ鎮座している場所ですが、周辺にお住まいの方を別にすれば、東京の立川市といっても駅からは距離が離れています。五日市街道沿いで、バスだとJR立川駅北口から「三ツ藤・箱根ヶ崎駅」行きで「砂川四番」の停留所下車になります。バスの乗車時間は約12分程度です。駐車場は32台まで駐車可能のようです。五日市街道から神社に沿って入った道路沿いになります。
<阿豆佐味天神社 立川水天宮>
■住所 〒190-0031 東京都立川市砂川町4-1-1
■TEL 042-536-3215