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今流行の「忖度(そんたく)」が社内で悲惨な結果に

今年の流行語大賞の最有力候補に躍り出た「忖度(そんたく)」も、職場では困った事件に繋がります。
日本人特有の「空気を読む」文化は、明瞭な表現をしなくても、その意思をくみ取ることで、「以心伝心」や「ツウと言えばカア」などといわれるコミュニケーションになっていました。
しかし林部長はその忖度で、やってしまいました。
朝礼での社長の言葉
「利益を上げろ、というと、みんな売上を上げることだけを考えるだろうが、必ずしもそうではない。無駄な経費を削減するだけで利益がアップする。むしろその削減こそが会社を繁栄させることに繋がる。例えば100万円の売上に対して、経費が80万円だったら利益は20万円しかない。もし経費で無駄な部分が10万円あって、それを削減できればその額がそのまま利益になる。つまり30万円になる。このプラス部分を売上で補おうとしたら、50万円も多く売らなければならない計算になる」
林部長の決意
「なるほど、社長は経費削減を願っているんだ。それならば私の部は、思い切り経費を削減することにしよう。接待交際費に、交通費に、いやいや、経費で最も比重を占めるのは広告費じゃないか。これを減らせば大幅な経費削減になるじゃないか。きっと社長は喜ぶぞ」
林部長の失敗
月末に行われる幹部会議の日が訪れました。いわば各部署の成績発表のような会議です。林部長は経費を大幅に削減できたことで、社長の意向を十分にくみ取っていると信じ込んでいます。ところが、会議冒頭に・・・
「まず、林君。極端に君の部署だけ売上が落ちているじゃないか!」
激高した社長は顔が真っ赤です。
「ここまで売上を落とすとは、一体何をやっていたんだ?」
林部長は茫然自失状態です。
何も反論できないものの、心の中で思わずつぶやきます。
「社長の気持ちをくみ取って経費削減に努めてきたのに、、、、、
広告費を落とせば大幅な経費削減で、利益アップのはずなんですが・・・」
林部長は社長の意思をくみ取っているつもりでしたが、売上を落としてまで経費削減しろという意味ではないことを理解していなかったようでした。
今流行の「忖度」にすらならない林部長の失敗でした。