「うつ傾向」のある人、9割が未診断

「うつ傾向のある人の意識と行動に関する調査」として塩野義製薬(本社:大阪市)がインターネット上で行った調査結果が発表されている。
この調査は2016年2月にうつ傾向のある人の意識と行動の実態を把握することを目的としたもので、調査結果から、精神的・身体的不調の相談意向があるものの、身近なかかりつけ医に実際に相談した人はわずかに約1割しかいないという状況が分かった。つまり「うつ傾向」のある人は、9割が未診断という結果だった。

調査監修医は藤田保健衛生大学医学部精神神経科学講座の内藤宏教授で、事前調査が20歳から69歳までの19,975人。
うつ病の患者数は厚生労働省の統計で約73万人と推計されているものの、医療機関で診断・治療を受けていない潜在的な患者が230万人存在するとも推定されている。
うつ病だけでなくうつ状態でもそのまま放置してしまうと症状の悪化を招き、さらには治療の長期化にも繋がる。そのため早期発見・早期治療の重要性を考え、塩野義製薬では、うつ傾向の人たちと身近なかかりつけ医との関係・相談、また要因などについて、深く現状を把握するために行われた。

本調査での対象者条件は事前調査に回答した19,975人のうち、二質問法(「最近1カ月間、気分が沈んだり、ゆううつな気持ちになることがよくあった」または「最近1カ月間、物事に対して興味がわかない、心から楽しめないことがよくあった」 のいずれか1項目該当)で「うつ傾向あり」かつ「うつ病の診断なし (及び最近専 門医に受診していない)」に該当した2028人だった。

事前調査結果の二質問法では、うつ傾向がある人のうち、現在「うつ病/うつ状態」の診断・治療を受けている人は8.1%だった。
うつ傾向がある人の43.6%は最近内科を受診していることが分かった。その為、内科医との接点はそれなりにあり、うつ傾向の人の不調として、「物事を悪い方向に考えてしまう」「いつもなら楽しいことが気がすすまなくやる気が出ない」といった精神的不調だけでなく、「疲労倦怠感」「肩の痛み」「睡眠障害」「頭痛・頭重感」といった身体的不調が多くあった。

本調査結果からは、うつ傾向がありながらも、うつ病の診断・治療を受けていない“うつ未診断者”は、身近なかかりつけの内科医がいるという回答は約半数だったが、「専門外のことでも相談できる」と回答した人は22.4%だけだった。精神的・身体的不調について実際に相談した人は約1割となった。

相談したくない人の傾向としては、「医師との関係が良好でない」「医師に相談しても、不調改善の効果を期待していない」などだった。
「身近な内科医がいない」ケースは、20代、30代の若年層が比較的多いという結果だった。

内藤教授は「相談したくないと回答した人の意見の中では、『医者は病気は診てくれるけど、病人として見てくれない』などもあり、医師側が改善しなければならない点も多く、医師の態度教育の必要性を痛感した」とする。のコメントがあった。

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