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「強制労働省」と揶揄される厚労省が午後8時消灯

サービス残業を取り締まるのが、労働基準監督署。
その上部組織に各都道府県の労働局、さらに厚生労働省の内部部局である労働基準局が指揮監督をするという図式だが、霞ヶ関でも残業が多いと評判なのが厚生労働省。ある官僚からは「厚生労働省ならぬ、強制労働省です」とまで自嘲されることもあるという。
そんな厚生労働省が7月から、午後8時に庁舎を一斉消灯する取り組みを始めるという報道がされた。
とはいえ、毎日8時に消灯することで、その時間までに仕事を終わらせるという意味ではなく、毎年最低1回以上、夜8時消灯を実施するという方針だ。
初回の実施日は7月28日の予定になっていて、この日は、厚労省と同じ中央合同庁舎第5号館に入っている環境省も協力することになっているという。一斉消灯をした後、オフィスは施錠され、原則として業務ができないようにする試みだ。
働き方改革を進める現在の内閣にあって、その旗振り役なのが厚生労働省だ。自ら長時間労働の是正に取り組む姿勢をアピールするのが狙いだという。
しかし、年に最低1回以上の実施というのは、あまりにインパクトがないのも事実。だからといって毎月、毎週実施というのは非現実的で、国会答弁数、質問主意書件数の職員1人あたりの量は、主要省庁の中でトップクラスとされるのが厚生労働省だ。どしても業務の絶対量は減らしようがなく、労働時間が長くなるのは当然の状態でもある。せめて「強制労働省」の汚名返上を目指すということになるのかもしれない。
もちろん厚労省は、午後8時消灯といういわば「儀式」的なアピールだけでなく、現実的な労働時間短縮を目指し、「テレワーク」や「フレックスタイム」などの利用を後押しする「柔軟な働き方支援員」を人事課に配置した。