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残業代未払いはエイベックスでも東本願寺でも

音楽大手のエイベックス・グループ・ホールディングスは未払いになっていた数億円規模の残業代を支払うことになった。
昨年12月に労働基準監督署から未払いの残業代があるとして是正勧告を受けていたのを機に、全社規模の社内調査を進めていた。その結果、グループ従業員1500人の勤務状況を昨年6月から今年1月までの期間で調査し、本来であれば支給しなければならない残業代が支払っていないケースが発覚した。具体的には一定の残業時間分の残業代は払っていたものの、それを超える長時間労働に対する残業代が支給されていないケースが数多かったという。
一方で伝統的な場所でも同じように残業代を支給していないことが報道された。
それは真宗大谷派本山の東本願寺で、男性僧侶2人に対して残業代を支給していなかったことが分かった。
寺院で残業代というのは、違和感を覚えるかもしれないが、この件については「時間外割増賃金は支給しない」との違法な文言を含む覚書を締結していたことも明らかになった。
結局、非正規雇用で働いていた僧侶の男性2人に対し、未払いの残業代の合計金額700万円近くが払われることになった。
被害男性の一人は「残業が130時間以上なのに手取り17万」しかもパワハラで不眠症と過呼吸になったと語られた記事もあった。
もともと2015年の冬から、2人は、きょうとユニオンと共に団体交渉を開始したものの、交渉は難航していた。ところが、急転直下の解決になったのは、ユニオンが労働基準監督署に伝えると通告したことによる。これにより寺院側は残業代の支払いに応じたという。
エイベックスは音楽業界というある意味「狭い世界」で、東本願寺に至ってはもともとが檀家だったりして家族の関係で離れられない世界だったりする。その中で発覚した残業代の未払い問題は、今の時代、特殊ケースとはいえないことになるだろう。