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一見するとストレスとは関係なさそうな病気

月間ビジター数でNYタイムズのサイトを追い抜き、世界で最も人気の高い新聞サイトとなっている英国の大衆新聞サイト「MailOnline」。
そこに掲載された「一見するとストレスとは関係なさそうな病気」というコラムが興味深い。
ロジャー・ヘンダーソンという医師によると、過敏性腸症候群、過度の汗、歯ぎしり、抜け毛、不眠症など、ストレスが原因で起こることがあるという。
過敏性腸症候群はあまり馴染みのない言葉かもしれないが、イギリス人で約1,300万人、アメリカ人では約4,500万人が関係しているといわれる。具体的な症状としては、腹痛、下痢、便秘、腹部膨満などで、日本人にも多い症状といえる。医学的に正確な原因について言及されているわけではないが、英国の医師の94%はストレスが引き金になっていると言う。
ヘンダーソン医師は、「神経細胞を伝わり、腸と脳がメッセージのやりとりをする。だから腸が脳に送るメッセージによって気分も影響を受ける」と語っている。脳と消化器系は複雑に絡み合っていることで、逆に「お腹の調子は気分次第」ということにもなるという。
過度の汗、ストレスを感じたときになぜ汗をかくのか、これについては実は現在まだ様々な議論がある状態だ。
それでも汗を出す腺には2種類あり、通常の汗とストレスを原因とする汗は異なるという。スポーツや労働などの身体活動の際の汗は「エクリン腺」、ストレス時の汗は「アポクリン腺」の2種類だという。汗の成分も異なるようで、「エクリン腺」は水分がほとんどを占めるのに対して、「アポクリン腺」はたんぱく質と脂質が多く含まれているのだそうだ。
ヘンダーソン医師は、「アポクリン腺」から分泌される汗がバクテリアが最も繁殖しやすく、体臭の原因にもなると科学者は考えていると語る。
歯ぎしりについては、ストレスと関連性があるということが研究により判明しているようだ。
これに伴う症状として、頭痛が最も多く、他にも不眠症、耳の痛み、あごの筋肉痛などがある。歯ぎしりが強く、継続性が高いと、歯が摩耗することで総入歯への進むリスクが生じる。
抜け毛については、長期にわたり過度のストレスが原因でおこることがある。ストレスホルモンにより毛包が休止状態となるためだ。
ただし、ストレスが脱毛の原因だとしても、いくつかの異なる種類があるようで、医師の診断が必要だという。
ヘンダーソン医師は「ストレスを解消する方法を用いることにより、適切に対処すれば数ヶ月で再度生えてきます」と語る。
不眠症についてはストレスと密接に係っている。ストレスによるホルモンが睡眠と覚醒のバランスを崩すからだ。
解決法としてよくあるのが、同じ時間に就寝・起床する規則正しい生活や、運動習慣、バランスのとれた食事などで、カフェイン飲料やアルコール飲料を控えるというのもある。また、テレビを見るのも、スマートフォンを使用するのも就寝2時間前までが良いようだ。
ストレスによる不眠症は、気持ちの問題も含め、身体的にも多くの疲労に繋がる。「精神面での健康問題」を正常に保つことが明確な解決法といえるが、そのためにはストレスの原因を見つけることが重要となる。
ヘンダーソン医師はストレスの原因が自分でわからに場合「セラピストやカウンセラーに相談」したり、「定期的な瞑想や運動」、「バランスのとれた健康的な食生活」をするよう助言を送っている。