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こころのケアをラテンアメリカコミュニティへ! 「横浜いのちの電話」

「いのちの電話」をご存じだろうか?
現在の日本では、一般社団法人日本いのちの電話連盟があり、全国に窓口がある。
この活動の歴史は古く、1953年に英国のロンドンで開始された自殺予防のための電話相談に端を発している。
日本では1971年が事実上のスタートで、わが国では初めてボランティア相談員による電話相談が開始された。
その後、市民運動からスタートした「いのちの電話」を全国に広めるため、中心的役割を担う組織として日本いのちの電話連盟が結成された。
現在は連盟加盟センターは全国で49センターとなり、分室を含め電話相談を実施している都市は約60ヶ所まで拡大している。
その中で横浜市の「横浜いのちの電話」では、在日ラテンアメリカ・コミュニティを対象とした電話相談も行っている。言語は当然ながらポルトガル語とスペイン語だ。
極めて珍しいように思えるが、これには一つの事件が契機の一つとして関係しているようだ。
1980年代の事件で、神奈川県内在住のインドシナ難民が精神的問題を抱えて家族を殺害し、自身も自殺未遂を図るという痛ましい悲劇だった。折しも神奈川県では在日外国人のメンタルヘルスに対する関心を強く持っていたことから、1992年に神奈川県内に急増した外国人労働者の精神的問題に対応するため、「横浜いのちの電話」の「外国語相談」部門を設立したのである。
既に自殺予防への取り組みが確立された既存施設に、新たに付加し、社会福祉法人横浜いのちの電話 外国語相談、略称・LALが活動を開始したことになる。自殺予防はもちろん、こころの悩みをもつ在日外国人の相談を幅広く受けている。
陽気なイメージのあるラテンアメリカの人たちだが、こころの悩みは万国共通で、しかも異国の地では本国とは異なる問題も多いといえるのかもしれない。