医師も労働者、医療機関に是正勧告多数!

過酷な労働を強いる業界として、現在最も目立っているのは医療機関といえる。医療機関によるずさんな労務管理により被害が拡大し、是正勧告を含めた数々の報道が続いている。

まずは、東京都三鷹市の杏林大学医学部付属病院では、36協定を超えて医師に残業させ、しかも残業時の割増賃金も不十分だったとして、三鷹労働基準監督署から是正勧告と改善指導を受けていたという報道があった。
労基署の調査によると、約700人の医師の中で約2%の医師が「過労死ライン」とされる残業80時間を超え、100時間を超える医師も数人いたという。

東京都渋谷区の日赤医療センターでは、医師の残業時間が「過労死ライン」の2倍・月200時間まで容認する労使協定を結んでおり、しかも一部の医師はさらにその時間すら超えて残業していた。

神奈川県相模原市の北里大病院では、就業規則で医師の勤務時間を定めていないなどとして、相模原労働基準監督署から労働基準法違反で是正勧告を受けていたことが報道された。
医師の勤務時間を定めていなかっただけでなく、労働条件を書面で交付していなかったこともわかった。36協定も不適切だったという。

同じく神奈川県では小田原市立病院が、小田原労働基準監督署から立入調査を受け、労働基準法と労働安全衛生法の違反が12件ということで、是正勧告を受けていた。

愛知県春日井市の春日井市民病院でも、36協定を締結していないのに、医師や看護師を含む職員に時間外労働をさせていたとして、名古屋北労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが報道された。
公務員には36協定の締結義務が適用されない職種があるものの、公立の病院の職員は該当しない。

厚生労働省では、昨年から医師についても働き過ぎについての有識者会議を設置している。実は、その中では最も根本的な議論として、「医師は労働者かいなか」というのもあった。
答えは明確で、「雇用され」「勤務時間」が決められているという点で、勤務医はまぎれもなく労働者であるとされた。

スペシャリストとしての医師といえども、勤務医は労働者と同じ扱いというのは、もしかしたら一般の労働者から見ると違和感を持つ人もいるかもしれない。しかし、「生命」に関する診療に携わる労働者が、自身の健康に影響する環境で働くというのはいかがなものだろうか。

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千葉麗子

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