北海道大学「病は気から」分子メカニズム解明!

北海道大学はストレスが病気を悪化させる分子メカニズムを解明したことを発表した。(北大プレスリリース

北海道大学遺伝子病制御研究所の所長・村上正晃教授らの研究グループが、マウスに慢性的なストレス(睡眠障害等)をかけた後、脳内に病原性の免疫細胞を移入すると、脳の血管に微小な炎症が誘導され、消化器や心臓の機能障害による突然死が起こることを発見した。
脳内にこの炎症を引き起こす病原性「CD4+T 細胞」の有無を調べることで、ストレス性疾患や突然死を予測できる可能性を指摘している。

「病は気から」という言葉があるように、慢性的なストレスが胃腸疾患や心疾患などの病気を悪化させたり、過労による突然死の発生などを引き起こすことはよくいわれるものの、実はその分子メカニズムについてはほとんど明らかとなっていなかった。そこで研究グループは、慢性的なストレスが、特定の神経回路の活性化を介してEAEの症状を悪化させるのではないかと考えた。その影響や分子機構について調査し、その結果、ストレスで神経が活性化されることで、脳内の特定の血管に免疫細胞が侵入し微小炎症が引き起こされるという、新しい「ゲートウェイ反射」を発見した。

今までは、慢性的なストレスがどのように多くの臓器の機能を低下させているのかは不明だった。
しかし今回の研究によって、脳内に生じた微小炎症が新たな神経回路を活性化することで臓器の機能を低下させていることが判明した。この発見により、胃や十二指腸などストレス性疾患の標的臓器への対処的治療だけではなく、脳の微小炎症を抑制することが、ストレス性疾患のより根本的な治療となることが考えられるようになった。

中枢神経系の自己抗原を認識する病原性 CD4+T 細胞による脳内微小炎症について、慢性的なストレス状況で突然死を引き起こすということから、同程度のストレスでも病気になる人とならない人の違いは、病原性 CD4+T 細胞や脳内微小炎症の有無によって決まる可能性が示唆された。
血液検査などで、脳内局所炎症を引き起こす病原性 CD4+T 細胞の有無を調べることで、ストレス性疾患や突然死にいたる可能性を予測できるようになるかもしれない。

さらに今回の成果として、アルツハイマー病などの認知症患者で見られる脳内微小炎症が病態にどのような影響があるか不明だったわけだが、これらの微小炎症が,新規の神経回路の活性化を介して脳を含む臓器機能の不調を誘導する可能性も示された。

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